シージ個人的考察#1 G2 vs Sercret Pro League Season9 Week12 (Club House)
※丁寧にやり過ぎた結果長くなり、まとめるのを若干放棄した記事です。未完。
それから選手ではないので、通例とずれた名称を使用してるかもしれません。
はじめに
Pro League Season9も半ばとなり、Final出場チームが絞られつつあったWeek12.
世界最強チームG2 Esports(以下、G2)は前半戦の不調により、Final進出には後半戦を全勝しなければ厳しいような状況だった。後半戦に入ってからのG2は以前の調子を取り戻しており、順調に勝ちを拾ってきていた。
しかし、そのG2に事件が起こった。 敗北である。しかもただの敗北ではない。
当時、EU Pro League(以下、PL)で最下位に位置し、Six Invitational 2019予選やESL Premiership Spring 2019ではChallenger League(以下、CL)チームにさえ敗北、CL落ちは目前か?と囁かれるようなTeam Secret(以下、Secret)に敗北したのである。
これには多くのファンが驚き、様々な憶測が飛び交った。
いまだにG2は本調子でない説、賞金が低いが為にG2はPLに対して本気ではない説、その他にも様々な噂が囁かれている。
事実として言えるのは、この敗北がG2のFinal進出不可となった原因のひとつであることだろう。
今回はその事件が起こった試合、G2 vs Sercret (Club House)の試合について書いていきたいと思う。
なぜCL落ち目前であるSecretが世界最強G2に対して勝利することができたのか、それを考察していく。主観に基づいた考察の為、人によっては間違いだと感じる箇所もあるとは思う。個人的な考察ということでご勘弁を。
《Secret防衛 vs G2攻撃》
①Secretはcover意識の高いG2に対してcoverできないor想定していない場所で積極的に勝負を仕掛け、人数を削ることに成功した
1ラウンド目 2:25〜5:57 金庫・監視防衛
このことはSecretのモンターニュBanと防衛の1ラウンド目からよくわかる。
Kantorakettiバックの倉庫ワンパン穴ロックからガレージ1階のFonkersヴァルに対する撃ちこみ。同時にガレージ入り口からGogaアッシュがpeek、加えてガレージ1階をヒートチャージによって割ることでFonkersヴァルを地下に下がらせることに成功。
→Leonkidsのエコーが東階段(金庫階段)を降りてガレージ1階w外、割れた補強壁に対してラウンジからpeek、Gogaアッシュをkill
◎このkillに至る際に重要となったのが、東階段の妖怪およびラウンジとガレージのヴァルカメであると思われる。(ヴァルカメはおそらく改装現場(2階間部屋)、ラウンジ、ガレージ)
倉庫のKantoバック突き上げ、ガレージ1階の補強壁が割れている、このことから通常ならラウンジから勝負するのは非常に危険であるが、情報系ガジェットによりラウンジとガレージの安全がある程度確認できた為、killまでこぎつけることが出来たと思われる。
G2はガレージ2階を1階から2人で潰しに行く選択。
→ガレージのヴァルカメによってその動きは把握されており、地下にいるFonkersヴァルが地下はしごの所までやってきてjNSzki火花をkill
→G2は地下、東階段、ラウンジなど複数の場所を警戒する必要が生じた。
→ガレージで人数を2人削り、カバーが行いづらくなった時点でガレージ上にいるmeepeYリージョンが積極的にpeekし、さらに人数を削る。(地下は防衛側が占拠しており、ラウンジ、ガレージにヴァルカメがあったためcoverポイントが限られる)
◎情報系ガジェットの位置など1ラウンド目からSecretが室外やガレージ、ボム下のラウンジなど早め早めに戦おうとしていることがわかる。
東階段(金庫階段)と監視室(CCTV)の妖怪は巧みな位置なので、興味がある人は確認してみるといいだろう(3:50〜4:30、15:52〜15:57辺り)
4ラウンド目 14:31〜19:08 金庫・監視防衛
監視室W窓近くににFabianサッチャーの存在がElemzjeバンディットが撃たれたことによりわかり、Leonkidsエコーと同時に室外に積極的に勝負しにいってkill
coverに優れるG2も同じ窓から勝負することはできず、一方的にkillを取られる。しかし、バンディットが撃ち合いに参加していた報告があった為か、撃ち合いと同時にG2は監視室(Bボム)のE側2枚補強を割ることに成功する。
1ラウンド目ではガレージ確保に失敗したので、G2は改装現場(2階の間部屋)を確保する方針に。しかし、全員で間部屋からアプローチするのではなく、開いた2枚補強にも人員を配置(ロック的な役割)
→Secretはしっかりと警戒していた。
監視室においてある展開シールド2つおよび妖怪ドローンの位置によって監視室(CCTV)外2枚壁(E側)が割れた後、積極的に室外の敵と勝負できる。
→監視室の展開シールド裏を排除orロックするためにGogaゾフィアが監視室W窓からpeekするが、Elemzjeバンディットが先置きできていた為、撃ち勝つ。
1階にいる(?)KantoバックがLeonkidsエコーとFonkersパルスを倒したタイミングで改装現場からjNSzki火花が金庫(Aボム)に突入、sTiZzeミュートをkillして金庫を制圧。ほぼ同時にPenguテルミットも監視室に突入しているが(監視室2枚補強から?)Elemzjeバンディットによって倒される。
1階で戦闘したKantoバックが東階段を駆け上がるが、妖怪によって位置がバレバレ(東階段か、監視室の妖怪によってjNSzki火花の位置もばれている。1ラウンド目と同様の位置)
→ピンを付けられたのもあり、突き上げを恐れたのか、jNSzki火花は監視室へ突入し、クソエイムを発揮しながらもElemzjeバンディットをkill→Kantoバックがplantのcoverに入ろうとして廊下を進行したタイミングでmeepYリージョンがタイミング良くpeekしてKantoバックをkill→plant続行不可能となりSecretの勝利。
◎Secretの前めの勝負によって監視室外にいたFabianサッチャーを早めに倒し、その後G2のアプローチ方向が変わっても、しっかりと背後を警戒していた為にSecretが勝利できた。
G2は1階の突き上げパルスや金庫階段のLeonkidsエコーを排除できたので金庫で早めにplantを行うか、jNSzki火花の監視室Elemzjeバンディットを倒す際のクソエイムが無く、素早く2on1の状態でplantに入れていたら結果は違ったかもしれない。
②G2攻撃のミスが多かった
2ラウンド目 5:58〜10:18 地下防衛
(+α)Penguのセンス溢れる立ち回り#1 「伏せ待ちロック」
ガレージ倉庫でElemzjeマエストロが積極的に室外と勝負してFabianサッチャーに負ける。
Leonkidsイエーガーが2階ベッドルームにて1人で遊撃→囲みに来ているのを察知したらジムハッチから降りて1階へ(徐々に下がっていく動き)、同時にG2が2階を潰しに来ているのを妨害するためにFonkersパルスが地下中央階段から途中上がり、そしてGogaゾフィアkill.
→下がったと判断したのか? Gogaゾフィアdeadのcoverに入ろうとしたのか?jNSzki火花が不用意にエントリーし、Leonkidsイエーガーにイージーにkillされる(G2のやらかし?)
Fonkersパルスが青階段とのFabianサッチャーとの攻防で負けて人数不利
Penguテルミは祭壇の3枚補強が割れた後の伏せ待ちでのpeek。ショットガンで待つと非常に強力である位置…バイクから祭壇への入り口と祭壇3枚補強の間にポジション(なんと呼ばれているかわからないので仮にXとします。)
Penguテルミは伏せでXをロックする形。3枚補強が割れた後は攻撃側の居場所も限定されやすく、相手の飛び出しを許しやすい。伏せて待つことで相手の予想をずらせる。センス溢れる立ち回りだと感じた。
◎Secretはラウンドを落としたものの、G2が2階を囲みきったり、地下への工事(特に中央階段の途中上がり防止の工事)が始まる前に積極的に勝負を仕掛けることができている。相手の動きを予測して動き回ってSecret側が勝負所を作れている。
3ラウンド目 10:11〜14:30 ジム・ベッド防衛
Secretがある程度、室外へも戦ってくるということがわかったからか、ベッドW側バルコニーの2枚補強を割る過程でのGogaゾフィアのコンカッションによる餅つき防止の際に、監視室W窓からのpeekをKantoバックがロック、Leonkidsイエーガーをkillすることに成功。
◎このラウンドはKantoバックのフラグ投擲ミスによるTKが後々に大きく響いた。
G2のplant戦略はおそらくだが、以下のような形を狙っていたと思われる。
GogaゾフィアがジムS窓をロック(ベッドからジムへのエントリーを防ぐ)、KantoバックはGogaゾフィアがkillされないように(監視室からのpeek予防)金庫に勝負を仕掛ける、jNSzki火花がジムS窓からエントリーし、ジムでplant、PenguテルミはW側バルコニーからバスルーム〜中央階段〜物流オフィス周辺の飛び出しを防ぐ、Fabianサッチャーは地下から中央階段へアプローチ、できれば制圧し、Penguテルミとロックを分担。
→しかし、GogaゾフィアがフラグTKにより居なくなった為、plantの際にジムS窓からのロックがいなくなり、ベッドからのsTiZzeミュートのプラント防止の飛び出しを抑制できなかった。Kantoがロックすべきだったが、おそらくKantoは金庫〜改装現場周辺で戦っていた。Gogaゾフィアが生きていれば、正解だったと言えるだろうが…
TKに関してだが、推測するにsTiZzeミュートがバリケードを割った瞬間にちょうどKantoバックはフラグを投げる所だったと思われる。Kantoの超反応が裏目に出た不運な出来事なのかもしれない。(Secretはラッキーで、これが無ければplantまでは通っていた可能性もある。)
G2はコンカッションによる餅つき防止ができないとわかった後は火花とテルミットの同時割りによって2枚壁割ることに成功している。さすがの対応力と言ってもいいだろう。しかも、割れた後の飛び出し防止の2方向からのラペロックも素晴らしい。
地下でのFonkersパルス vs Fabianサッチャー、Fonkersは無理に勝負に行かずにじっと待つ判断が素晴らしい。パルスなので万が一相手を見失っても、後から一方的に居場所の特定ができるため無理に勝負にいく必要が無い。
結果的には中央階段1.5のElemzjeバンディットがFabianサッチャーをkillしたが、無理に勝負しなかったことにより少なくとも背後を取れてはいたはずだ。
その後の2on1で下から心拍センサーを回し、プラントを予防かつハッチドロップが聞こえたら即座に切り替えるところまで素晴らしい。
③Secretの巧みな妖怪ポジションによりG2の進行を把握できた
(+α)G2の「自分達で勝負所を作る意識」
6ラウンド目 32:54〜37:04 地下防衛
5ラウンド目にあっけなく祭壇を割られたため、Secretはバンディットを起用。
G2は妖怪を厄介に思ったのかIQを起用。5ラウンド目に続き、Secretは籠もるタイプの守り方。前ラウンドと違うのはカイド、バンディット両方pickすることにより餅つき重視、割らせない選択。
Penguテルミは一人で洞窟進行。
G2はサッチャーを排したことにより、祭壇3枚補強や武器庫ハッチを割ることができなかった。よって武器庫を平面的に開け、中央階段からラッシュ的に武器庫を制圧する形を選択。
→5ラウンド目でも光った妖怪のポジション(武器庫入り口に張りつける)により中央階段および地下中央廊下からの進行がSecretにバレて、sTiZzeミュートがpeekしてダブルkill
その後のG2の武器庫への進行もkillされ、洞窟のpenguが孤立→5on1なのであっけなくdead
◎G2はサッチャーがいないことによって非常に不利な状況に陥っていた。限られた選択肢の中で、非常にリスクの高い選択を行って負けた。しかし、ここで重要になるのは”賭けにでたこと”そのものではなく、その”タイミング”であると思う。
このG2の賭けは45秒付近で行われており、まだ時間がある状態での選択だった。実際、meepYカイドの画面が映っていたが驚いているように見える。Secret側も勝負タイミングを(妖怪によって結果的には事前に把握できたが)わかっていなかったということであると思う。
◎祭壇3枚補強も武器庫ハッチも割れる見込みのない不利な状況。ラウンド取得には大きなリスクを背負わなければならない状況で「時間に迫られて受け身的に仕方なく勝負に出る」のではなく、「自分たちのタイミングでリスクを背負って勝負に出られている」ことはやはりG2というチームの分析力や決断力といった強み、世界最強チームである理由の一端ではないかと思う。
状況を正しく分析し、自分たちで積極的にリスクを負って自分達のタイミングで勝負所を作ることにより、失敗してもそれを肯定的に受け止めやすい。そんな気がする。
(補足)G2の勝利ラウンド、典型的な地下篭りに対しては攻撃を通す。
5ラウンド目 28:37〜32:52 地下防衛
今回はSecretは前線を引き下げて地下に籠って守るスタイル。
2ラウンド目でG2はFonkersパルスの中央階段途中上がりを許したため、今回は素早くエントリーし、中央階段0.5にてGogaゾフィアがロック。
Elemzjeエコーは妖怪を武器庫入り口(地下中央廊下からの)に貼り付けて中央階段を下りきった所のロックと積極的に撃ち合う。
武器庫のFonkersパルスがキッチンのjNSzki火花をニトロで突き上げてkill
キッチンを突き下げしているKantoバックが武器庫のFonkersパルスをkill
Secretが前めに戦っていないため、G2は1分半の時点で主要なハッチを割り、1分の段階で祭壇3枚壁を割ることに成功。
祭壇3枚補強が割れたあとの最後の砦とも言える強力なポジションであるXに居座っていたsTiZzeミュートをPenguテルミが伏せ撃ちでロックしkill(sTiZzeは敵の伏せ待ちを予測できていたので勝ちたかった…)
40秒の段階で祭壇の防衛は壊滅。後は収納室(青部屋)と武器庫のみ。状況を好転させるためにElemzjeエコーがpeekするものの負けてdead
→G2はロックを完璧に敷いた状態でplantに入るだけであり、Secretは無謀な飛び出しを敢行せざるを得なかった(しかもタイミングもずれている。)
◎Secretが前めの防衛をやめた為、ハッチが素早く割れてしまった。餅つき手段であるmeepYカイドも武器庫にいたため、祭壇も早く割れてしまった。祭壇最後の防衛ラインであるXのsTiZzeミュートが早めに勝負せざるを得ず、負けてしまった。その後はG2がプラントを安心安全に行える。Secretは状況を好転させるための勝負が個々のタイミングになってしまった。(これはどのマップ、どの相手にも見られるSecret防衛の欠点の1つではないかと思っている)
《Secret攻撃 vs G2防衛》
(+α)Penguのセンス溢れる立ち回り#2 「撃ち合うor逃げるの選択。時間管理の巧みさ」
7ラウンド目 37:05〜41:41 地下防衛
Kantoがルーク(インパクト要員?)
Leonkidsバックのトイレから中央階段の地下出入り口を直接撃てるようなロック
G2は妖怪のライブドローンを受け、Fabianヴァルが青階段を途中上がりしてローミング、ラウンジでガレージ倉庫入り口をロックしていたElemzjeサッチャーと交戦。
→Secretは青階段を上りきっていることがわかったので、倉庫ハッチをブリーチングチャージで開け、上がり切った遊撃が帰れないようにする。
→Fonkersはかなり深い位置でロックして、Fabianヴァルのガレージ倉庫からの飛び出しをkill
Secretは祭壇3枚補強を割ることに成功。
→jNSzkiマエストロが不利な状況を打破するために祭壇の中で前めにpeek、Elemzjeサッチャーをkill
中央階段付近のFonkers IQが倉庫ハッチをドロップして驚異的なヘッドショットでKantoルークをkill
最後に残ったPenguリージョンの位置を把握しきれずに、meepY火花が進行してdead(おそらく武器庫のイーヴィルアイによって進行を見られていた)
◎最終局面でのPenguリージョンの素晴らしい判断。時間を見て撃ち合うのか逃げるのかをしっかり選択し、強ポジから強ポジへ動いてFonkers IQに確実に勝った。
◎Secretは祭壇3枚補強を割ったところまでは良いが、それからはうまく現地にドローンを回すことができず、撃ち合いで一人一人負けてしまった。
祭壇3枚補強を割っても攻撃側の居場所は限られる。特にこのラウンドは洞窟進行もなく、青部屋も確保できていない為、防衛側は比較的自由に動いてpeekすることができた。イーヴィルアイによってバイクと地下中央廊下がおおよそ見えることも、Secret側が位置特定されるのに繋がった。
Secretはかなりpeekを控えていたため、祭壇にいるjNSzkiマエストロの移動を捉えられず、前めな戦いを許してしまったのも大きいか。
祭壇三枚補強が割れてからは相手が状況を打破するために前めに戦ってくることは予想できたはずなので(特にG2はその傾向が強い)咎めたかった。
④新加入したFonkersの複数回の驚異的な活躍、Leonkidsのエントリーフラッガーとしての安定したパフォーマンス
8ラウンド目 41:42〜46:03 監視・金庫防衛
G2はクラッシュを起用。
妖怪はガレージ、改装現場(間部屋)
Fonkers IQは餅つき防止のためか倉庫にエントリー
→Leonkidsバックも合流し、ラウンジ/倉庫からフラグによる突き上げ。
→その後Fonkers IQは単独行動になるが、ラウンジの仕込みドローンでドローンロック。
火花のペレットをガレージ補強の上だけ壊す形で使用し、ガレージ上にプレッシャーをかけられる形へ→その後ヒートチャージを用いてガレージに通れる穴を開ける。→Kantoイエーガーが積極的に飛び出してpeek→倉庫のFonkers IQの決め打ちと同時にLeonkidsバックがガレージに突入。killにはならないがガレージ1階から下げさせることには成功。
ベッドの仕込みドローンでベッドからのpeek、飛び出しを警戒?
Fabianクラッシュはガレージ2階を防衛していたが、ガレージ1階が制圧され、coverが金庫からの射線onlyとなってしまっていたので、ガレージ階段を上がるLeonkidsバックを倒しきれずに、ガレージ2階まで上がられ、クラッシュdead
妖怪を発見できるFonkers IQが1階の抑えに入っているので…妖怪はどうするのか
plantアプローチと同時にFonkers IQは東階段を無理矢理に上り、Kantoイエーガーをkillすることに成功(上がっていく方がかなり不利。驚異的!)
→Gogaエコーがcoverに入ってFonkers IQ dead
Secretのplantに合わせてG2は逆ラッシュ的に監視室へ飛び出していくが、タイミングの微妙なずれもあり、ロックに打ち勝てずに2on1
→最後残った金庫のjNSzkiマエストロも決め打ちでdead. Secretの勝利。
Secretのガレージ下のKantoイエーガーを下がらせた連携が素晴らしい。
◎Fonkers IQが東階段を無理矢理上がった際に、上がる側が大きな不利にもかかわらず1killを持って行けたのは非常に大きかった。それによってGogaエコーは階段へのcoverに入らざるを得ず、Penguバンディットが金庫から飛び出すタイミングに合わせることができなかった。
→このFonkers IQの驚異的なkillはただの1killではなく、G2のplant止めの逆ラッシュを崩した大きな1killだと言える。
◎ガレージ上を守っていたKantoイエーガーが下に降りて積極的に勝負を仕掛けたのが裏目に出て、Fabianクラッシュがガレージ上にて孤立することになってしまった。それによってSecretはガレージをあまり労せずに占領することができ
、十分な時間を確保してplantアプローチを行うことができた。
Secretはエントリーの段階で戦われる形や室外に対して積極的に飛び出されるような動きに弱く、Kantoの行いも決して間違っていたわけではないが、結果的には裏目に出てしまったか。
◎早めのタイミングでのplantとはいえ、妖怪対策はなされておらず、ロックも1つの出入り口に1人の形であったため、G2がplantを止められる可能性は十分にあった。
東階段のFonkers IQの不利をはねのけての1killが試合を決定付けたか。(しかも倒したのはあのKantoのイエーガーである!)
9ラウンド目 46:04〜50:17 監視・金庫防衛
Secretは先ほどはサッチャーと倉庫にいるIQの下からのアプローチによって餅つきを防止していたが、このラウンドはカピタオの火矢を用いていて、餅つき阻止に成功している。
ガレージ下にLeonkidsカピタオが突入すると同時にFonkers IQが1階ロビー入り口からpeekし、ラウンジ付近に居たと思われるjNSzkiマエストロをkill
G2は先ほどは配置してなかったガレージ地下はしご付近にkantoイエーガーを配置し、ガレージ階段を上がるLeonkidsカピタオをkill(8ラウンド目で金庫からガレージに対して撃ち込みしていたことが効いている)
→Secretの意識がガレージ地下に向いた途端にガレージ2階のFabianクラッシュが武器に持ち替えて、ガレージにエントリーしていたsTiZzeテルミをkill
◎クラッシュの戦うタイミングというのは非常に難しい事項だと思われるが、相手のヘイトを理解して積極的に撃ち合いに行けるのは流石のG2というところだろうか。Kantoイエーガーが地下に居座って、決め撃ちを駆使して存在を主張していたのも大きい。
監視室E側の割れた2枚補強の所からElemzjeサッチャーがかなり前進してガレージに対してpeekしたことによりガレージのFabianクラッシュをkillすることに成功。
→監視室の2枚補強の場所に居る人はラペリングを駆使して安全にロックに入っていることが多いが、この試合のElemzjeサッチャーはどちらかというとリスキーな位置でロックし、相手に位置を予測させないとと共にcoverやpeekなど積極的に行っているのがプラスに働いている。
Fonkers IQがガレージ階段を上がりながら、金庫からpeekしているPenguバンディットをkill(またもや驚異的!)
同じ射線に頼りすぎた感はあるとはいえ、ヘッドラインがずれている為に抜き返すのは尋常なことではない。
Gogaエコーが不利な状況を覆す為に2階廊下から積極的に撃ち合いに来ているのがわかったSecretは人数差を存分に生かして積極的に撃ち合いに行き、Gogaエコーをkill
→残されたKantoイエーガーは地下~ガレージ倉庫におり、なんとか東階段をあがったが、ギリギリplant完了前に倒しきれずに、plant後2on1
(plant coverがちょうど無かったのでSecretはplantが成功しなかったら、ディフューザーがkantoの足下に落ちた状態になっていた可能性があり、非常に危なかった。)
→流石に勝てずにロックに撃たれdead
◎監視室2枚補強付近に居るElemzjeサッチャーのハイリスクながらも積極的なpeekやcover、及びFonkers IQが不利な撃ち合いを制してくれたことがこのラウンドのSecret勝利に繋がった。
Secret引き分け以上確定。EmpireのFinal進出が決まったラウンド。
11ラウンド目 54:50〜59:07 ジム・ベッド防衛
妖怪は中央階段1.5、改装現場
Kantoイエーガーがガレージ1階に遊撃に出ている。
→ドローンとFonkers IQのガレージ外からの決め撃ちでガレージ倉庫まで下がらせる。
監視室2枚補強が割れ、ガレージが制圧された後はG2は金庫を早々に放棄して現地籠もりに移行。(ドローン破壊やガジェット消費が目的か)
sTiZzeテルミがベッド窓からベッドAボム裏のjNSzkiマエストロを決め撃ちに近い形でkill
Secretはベッド廊下のW側2枚補強を割る形ではなく、監視・金庫/改装現場を制圧して、ジム・ベッドの窓と改装現場からアプローチする形。
ベッド窓からsTiZzeテルミがバスルームをロックした状態でLeonkidsバックが改装現場からベッドにエントリー(1分の段階)し、物流オフィスとベッド入り口の間に居たKantoイエーガーをkill
→そのままLeonkidsバックはバスルームまで詰めるがPenguバンディットにkillされる
→sTiZzeテルミがcoverし、ベッドルーム廊下のPenguバンディットをkill
→Gogaエコーが強く、ベッド外とベッド中を2killしてdead
Fabianヴァルは下にいたものの、中央階段から上がって2on1の状況。
sTiZzeテルミがFabianヴァルに撃ち込むことに成功するが、決め撃ちだったのか、体力が少なかったからなのかはわからないが、有利な状況にもかかわらず引き、Plantに移行。
→ジムのヴァルカメ?のおかげでsTiZzeテルミの移動を把握することができ、Fabianヴァルはジムのしゃがみローテート穴から改装現場のFonkers IQをkill、そのまま設置もkill
◎SecretはAボム裏のjNSzkiマエストロをうまくkillすることができたので、バスルームをロックしてベッドに1分の段階でエントリーすることができた。
このときエントリーしたLeonkidsバックが見るべき所は3つ、物流とベッドの間の入り口、物流小部屋(隠し金庫)〜ベッドのローテート穴、Aボム裏。3カ所見なければならないので、結構リスキーな選択だが、勝負タイミングが早めだったこともあり、うまくKantoイエーガーをkillしてベッドを制圧することができた。
Leonkidsのエントリーフラッガーとしての力を感じさせた。
◎最終的に2on1の状況になるわけだが、下からの突き上げがあったことから中央階段から敵が上がってくるであろうことは予想できた。Secretは殲滅に行く判断でもよかったのではないか。
sTiZzeテルミがFabianヴァルに撃ち込むことに成功したにも関わらず、必要なく撃ちやめてしまったのもあり、安全策に走った結果、Fabianヴァルのクラッチを許し、ラウンドを落とすことになってしまった。もったいない。
金庫・監視室からG2が早めに引いてくれたのもSecret的にはありがたく、決めきりたかった。
⑤SecretのG2防衛に対する理解度が高く、rotationを咎めることができた。(戦い所をチーム全体で柔軟に変えてくる動きに対する対応)
10ラウンド目 50:18〜54:49 地下防衛
(+α)Penguのセンス溢れる立ち回り#3 「ルートカット/引きロックを想定した立ち回りと時間切れを狙った伏せ待ち」
G2は2階まで遊撃に出て金庫・監視に籠る選択。
→それに対してsTiZzeテルミがロビー入り口からラウンジ、東階段をロックする形でガレージ倉庫、東階段付近にいたjNSzkiマエストロをkill
Kantoアリバイが建設現場から決め撃ちしてきたLeonkidsバックをkill
◎2階が主戦場にも関わらず、Elemzjeサッチャーは一貫して中央階段の途中上がりをロックしている。G2の中間的な役割の選手が途中で合流してくる動きを理解してのロック(先程のsTiZzeテルミがjNSzkiマエストロをkill出来たのも同じ理由かと思われる。)
G2が戦いが起こった場所に合わせてチームアプローチを変えてくることをSecretはしっかりと理解している。G2のrotationを厳重に警戒して、うまくkillにも繋げられている。
Fonkers IQが東階段をまたもや無理矢理上がるものの、Fabianヴァルにkillされる。
→その後も金庫、東階段にて撃ち合いが発生するが、Secretはいまいち囲みきれずに、1on1を繰り返すような形になってしまう。なんとか人数イーブンに持っていくが、ガレージの地下はしごから登ってきていたPenguバンディットにcoverされる。
→Penguバンディットはガレージ上でSecretのcoverを警戒した後、ドローンを壊したタイミングで地下に降りて逃走。
◎Penguの上手いところは地下ガレロンから青部屋に戻る際にガレージ倉庫からルートカット/引きロックされている可能性を考え、無理に青部屋に戻らなかった点である。
結果的にはその後、倉庫ハッチが空いて逃げ道が完全に無くなった。しかし、その際の伏せ待ちの判断が素晴らしい。なかなか予測は出来ない。それによってsTiZzeテルミをkillすることに成功。coverによって倒されるものの、状況を的確に分析して時間稼ぎがを行い、killまで取れたのは流石としか言いようがない。
Pengu deadにより1on1になったが、Gogaエコーが武器庫からさらにcoverしてG2勝利。
Penguは2階が壊滅してもcoverを入れて人数イーブンに持っていき、最後まで時間を稼いでkillまで取るという素晴らしい働きをしていた。
12ラウンド目 59:08〜1:03:22 監視・金庫防衛
Fabianはクラッシュを止めてドクへ変更。
監視・金庫防衛ではSecretは必ず倉庫からエントリー・アプローチしてきていたので、妖怪を倉庫付近に設置してソニックバーストを当て、BarのFabianドクが倉庫に対して撃ち込み。Fonkers IQをkillすることに成功。
その後G2はcoverに来たSeretメンバーとラウンジ、Barから倉庫に対して積極的に戦う判断。
→SecretはラウンジBar周辺が主戦場になっているということから、G2が現地からcoverに来ることを警戒しつつ、ほぼ全員で囲い込むようにラウンジ、Barに対してアプローチ。一人ずつ削っていくことに成功。4on2の状況に。
→Secretは監視室2枚補強を割る。Penguバンディットは不利を覆すために前めに勝負し、割れた監視室2枚補強に対して積極的にPeek、ラペリングしているsTiZzeテルミをkill
→その後はガレージ2階、割れた監視室2枚補強に対するラペロック、監視室W側窓からのロックなど組み合わせて相手の位置をある程度限定させ、監視室W側窓からLeonkidsバックがエントリーしてPenguバンディットをkill、coverに来たGogaエコーもkill
◎ラウンジ・Barでの戦いが勝負を決めた。
Secretは監視・金庫防衛に対しては必ず倉庫からアプローチしている。そのことをG2は試合を通してしっかりと把握しており、倉庫に向けて妖怪やドクを持ち出してまで戦った。G2得意の自分たちが決めた勝負所で戦うスタイル。
弱い防衛ポイントだとされているBar倉庫守りに近い形ではあるが、相手のアプローチを見ての対策は素晴らしく、Fonkers IQをkillすることに成功している。
しかし、対するSecretもそんなG2のアプローチを瞬時に理解して、現地や地下からcoverに来る動きを警戒しつつ、積極的に囲い込みに行けている。
この際、キッチン前の中央廊下に室外から援護無く1人でエントリーしたLeonkidsバックは、Barに居るFabianドクと一騎打ちの形だったので、ここの勝敗によってはラウンドの勝敗も変わっていたかもしれない。
◎G2はKantoイエーガーがkillされたことにより、1階を勝負所にするには人数が足りないと判断したのか(?)、引くか戦うかの判断が曖昧になっているように見受けられる。Fabianのヴァルを排したことにより情報が不足しているのもあるだろうが。
これまでの試合でG2防衛が行った、戦場となったところに主にKantoイエーガーなどが駆けつけていく動き。その動きをSecretが十分に警戒していて、ロックによって咎められていることが多いので、現地にいるPenguやGogaは階段を降りて1階の戦いに加勢に行くことができなかったか。
また、Secretはそのような前線を引き上げての戦いをされたときに、現地にラッシュして現地を取り切り、相手の設定した前線に付き合わないという選択をすることがある。そのことも加味して、現地にいるPenguやGogaは動きにくかったか。
結果、4on2になり、Penguバンディットのリスクを負った飛び出しにより3on2まで持って行くが、監視室W窓のバリケードが開くなど射線が増えるにつれ、G2は積極的な勝負を行いづらくなり、Leonkidsバックのエントリー時の撃ち合いの強さによってラウンドを落とし、試合に負けてしまうこととなった。
《総評》
G2がどちらかと言えば不得意とするクラブハウスでの試合だった
クラブハウスの部屋と部屋のアクセスが限られているマップ構造がG2の特性に合致していない。すなわち、防衛では相手の動きやアプローチを見て、前線を自分たちで設定し、現地や中間職・遊撃がローテーションして、自分達で勝負所をつくる形のことである。
またG2はcoverする際に同じ射線でなく別の射線からcoverすることが多いが、それに関しても部屋のアクセスが限られることにより得意のcover力が生かしにくかったと思われる。
ちなみにSigeGGの記録によると、ここ3ヶ月のG2のクラブハウスでの戦績は3勝2敗1分けのようだ。(2019/04/22時点)
試合数が多いのもあるだろうが、勝率が50%を超えない唯一のmapである。
G2 Esports, EU Team, Rainbow Six Siege Statistics / SiegeGG
SecretのG2防衛への理解度が高かった
上記したG2の防衛方法、前線に続々と寄ってくる形を必ず警戒しており、実際にロックによって枚数を削ることに成功している。G2はかなり動きにくかったはずである。
Secret防衛の前線設定がG2に刺さった/Secretが想定する土台、戦いたい場所で勝負させてもらえた
Secret防衛はそこまで得意としていない前めの防衛、室外やファーストエントリーに対しても積極的な撃ち合いをすることにより、G2の人数を削り、得意のcover感を封じ、時間を稼ぐことに成功している。早々に人数の削り合いを行い、堅実なセットプレイに持ち込ませなかった。
反対にSecretが現地に籠もって狭めに守っているラウンドではG2が勝利している。(5ラウンド目、3ラウンド目もKantoのTKが無ければわからなかった。)
Secret攻撃におけるLeonkidsやFonkersの撃ち合いの勝利がラウンドの趨勢を決めた
Secret攻撃はLeonkidsバックのエントリーフラッガーとしての単独行動のセンス・撃ち合いの能力、そしてFonkers IQのエイムの冴えに助けられた・依存しているところはあった。
遊撃の囲い込みやラウンド序盤の人数差をつくる動きは上手く、優勢に持ち込むことはできているが、ラウンドの勝敗を決める勝負所がLeonkidsバック一人の能力に依存していたりして、チーム全体のリソースを注げていない印象もある。
G2は攻撃においてミスが多かった
KantoのフラグTK(3ラウンド目)やjNSzkiの不用意なエントリー(2ラウンド目)である。また、防衛での勝負所の選択など。2ラウンド目は結果的にラウンド勝利しているものの、最近の不調の原因のひとつとも言えるミスの多さが目立った。
G2は得意の防衛を対策された際に上手くセカンドプランを通せなかった
G2は自分達の防衛の形をSecretに対策され、加えてSecretの囲い込みが上手かったとはいえ、別のアプローチが取れなかった。(例えばエントリーに積極的に戦っていくなど?クラブハウスでは行いにくいのは確かだが。)
Secretの遊撃を排除するチームアプローチは非常に巧みであるため、仕方なかったことなのかもしれないが。
前線を引き上げて戦うにしても、どこに対して重点的に戦うのかが曖昧で、チームとして共有できていなかった印象もある。相手の位置が報告されたら複数人で協力してどこか1点を潰しきるなど行えは、試合の勝敗は変わったかもしれない。
終わりに
初めての試みということもあり、丁寧に書き連ねた結果、非常に長くまとまりのない文章になってしまいました。時間も相当かかりましたが、なかなか楽しかったです。
各チームのアナリスト達がこれ以上のことをやっているのか、ここまではやっていないのかわかりませんが、実際に自分で文章にして考察してみてアナリストやこういった記事を書く方は凄いなと感じさせられました。
次に記事書くときはもっとテーマを絞って気軽に読みやすい長さにまとめたいですね。それから試合からの期間も短くしたい…
最後まで読んでくださった方はありがとうございました。試合の見方のひとつとして楽しんで頂けたなら幸いです。それではまた。