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シージ大会感想#2 Allied Esports Vegas Minor 2019 感想

 

 

 

はじめに

今回は先日、ラスベガスで行われたAllied Esports Vegas Minor 2019の感想を書いていく。

 

メジャー大会の出場権に関する大会でもあるため、世界のトップチームはほとんど出場していなかった。

しかし、それが却って新鮮な対戦カードを多く発生させていた。

 

個人的には非常に楽しめたというか、興味深い大会だった。

見てない方には是非、見て欲しいと思う。(好きなチームが居るならば。)

 

※個人的な視点、感想が多く含まれます。ご了承下さい。
※基本的には一度見たただけなので、細部に間違いや勘違いがあるかもしれません。

 

 

 

記事内検索用に各チーム名を置いておく。

自分の好きなチームだけ見たい場合は、ブラウザの検索機能を使って頂ければ幸いだ。

 

Secret

Rogue

NIP

PENTA

Chaos

oNe

Soniqs

Rise

LIquid

SSG

92DT

Aerowolf

LSE

DZ

Disrupt

Vitality

 

 

・Day1

https://www.youtube.com/watch?v=BuBUnDRX_g8

 ・Day2

 https://www.youtube.com/watch?v=V3BX-El3ijo

 ・Day3

 https://www.youtube.com/watch?v=YO_r7HdJcvw

 

 

…ところで、全試合の動画が公開されるとのことだったが、本当に公開されるのだろうか?

いくつかの動画は投稿されたものの、最近は音沙汰が無いが…

 

↓ Allied Esportsのチャンネルにて投稿されている配信外の試合

https://www.youtube.com/playlist?list=PLi8qdMYKvbY1GC6JNVwhca-r4KYvaIopB

 

 

 

 

 

 

総評(Allied Esports Vegas Minor 2019 を振り返って)

始まる前からどのチームが勝ち上がるか、優勝するか、まったく予想のつかない大会だった。
実際、大会の展開は想像の斜めを行っていた。

思いがけない活躍や成長を見せたチーム、逆に思ったよりも活躍できなかったチーム、様々なものが見られた。

個人的には、非常に楽しめる大会だったと言って良い。

 

 

世界トップクラスのチームが出場していないということ、メンバーチェンジを行った直後のチームが多かったこと、その他に様々な要因も絡まって、全てがレベルの高い試合とは言いがたかったのは事実だろう。

 

戦術の面の甘さ、個人としてのミス、チームとしてのミス、目的の見えない戦術など見受けられた。

 

しかし、多くの地域のチームが集まって多くの試合をこなすと、様々な化学反応というか、予想だにしない出来事が起こっており、興味深く見ていることができた。

 

普段なら中々見られないような試合の組み合わせが多数見られたのは、非常に新鮮であった。

Dreamhackなどと共に、これからも続いてくれたらうれしいと思わされる大会であった。

 

 

その中でも大きな成長を見せたチームが、いくつか現れている。

それについては後述しよう。

 

 

今回勝ち上がったチームが、世界のトップ層に対してどれくらい通用するのかは未知数だ。

しかし、今後の競技シーンが楽しみになるに十分な大会だったと思っている。

 

今回、惜しくも勝ち上がれなかったチームも、多くのオフライン経験を積んだことにより進化して帰ってくることだろう。

期待したい。

 

 

○面白かった試合

【Day1】

・NIP vs LSE

・Secret vs PENTA

・Liquid vs Rogue

・Secret vs NIP

【Day2】

・Secret vs oNe

【Day3】

・Secret vs LSE

 

ここには書いてない試合もありますが、Secretの試合は全て面白かったです。

 

 

 

 

出場した各チームへの感想

大会を見ての評価、関心、驚き、期待などを加味すると、5段階に分けることができた。

あえて、感想が薄いチームから書いていこうと思う。

 

※試合動画は全てを見切れていないので、その辺りはご了承ください。

※念のため再掲。配信外の動画集

https://www.youtube.com/playlist?list=PLi8qdMYKvbY1GC6JNVwhca-r4KYvaIopB

以下に貼る動画は、このリストから個別で抜いてきたものです。

 

 

 

①関心・評価:低 or そもそも試合が見れていない

Disrupt Gaming

0勝3敗

試合動画を見ていないので、なんとも言えない。(すいません。)

しかし、NA CLのプレイオフを見ていても、勝ち上がるのは厳しいだろうなとは感じていた。

 

チームとして大きな革新が無ければ、PLに上がってくるのも難しいかもしれない。

 

・Disrupt vs oNe

https://www.youtube.com/watch?v=3smNGO87O60&list=PLi8qdMYKvbY1GC6JNVwhca-r4KYvaIopB&index=3

・Disrupt vs Chaos

https://www.youtube.com/watch?v=cqhaGPI5dI4&list=PLi8qdMYKvbY1GC6JNVwhca-r4KYvaIopB&index=6

 

 

 

Rise Nation

2勝3敗

メンバーが2人交代した直後というのがあるのだろう。やはり戦術が煮詰まっているとは言いがたかった。

2on1やPlant時など「それはやっちゃいけないだろう」と思わされるようなミスも散見された。

 

それでもVitality、Soniqsに勝利している。

今後、NA CLにてどのような成長を見せるか注目だ。

 

・Rise vs Rogue

https://www.youtube.com/watch?v=kPiy4gRxIuk&list=PLi8qdMYKvbY1GC6JNVwhca-r4KYvaIopB&index=9

・Rise vs Vitality

https://www.youtube.com/watch?v=CoxSETyRgNk&list=PLi8qdMYKvbY1GC6JNVwhca-r4KYvaIopB&index=10

 

 

 

Susquehanna Soniqs

1勝3敗

今回はGoddessの姐さんが、いとこの結婚式?があるとのことで、代わりにBeastlyが参加している。

その割には92DTと良い勝負をしたり、Aerowolfにギリギリで勝利したりしている。

 

それでも結果は1勝3敗。

Siege.GGの記事では、キャプテン 兼 IGLのsuprは自信満々だったが、案の上の結果に終わった。

 

細かいチームパフォーマンスに課題があるようには感じる。

攻撃のPlantアプローチ、セットプレイなど、メタに沿って煮詰められる部分が甘いような印象だ。

 

・Soniqs vs 92DT

https://www.youtube.com/watch?v=exzhMHNaV9w&list=PLi8qdMYKvbY1GC6JNVwhca-r4KYvaIopB&index=5

 

 

 

 

②関心・評価:中

Aerowolf

0勝3敗

APACチームが珍しく(初めて?)世界的な大会へ招待されたということで、APAC勢から期待されていた。

しかし、結果としては1勝もできずに終わってしまった。

決勝まで進んだLSEに敗北したのは仕方ないかもしれないが(とはいえ、予選の段階では、LSEのパフォーマンスはあまり良くはなかった。)、調子の上がりきらないDZ、そして何よりもフルメンバーでないSoniqsに負けてしまったのは、言い訳できないだろう。

 

しかし、APACチームが招待されるということは大きいことである。

Aerowolfは大きな経験を積めたことだろう。

 

Season9 APAC FinalではCloud9への圧倒を見せていたことだし、APACのレベルを引き上げる一因になってくれれば幸いだ。

もしかしたら、今回の経験で一気に強くなって、APACを蹂躙するかもしれない。

期待しよう。

 

・Aerowolf vs Soniqs

https://www.youtube.com/watch?v=Rj8o0K4nYFc&list=PLi8qdMYKvbY1GC6JNVwhca-r4KYvaIopB&index=1

 

 

 

 '92 Dream Team(92DT)

2勝3敗

CLから上がってきたばかりの若いチームとしては、かなり奮闘した方と言ってよいだろう。

(とはいえ、勝ったチームは同じくCLへ上がったばかりのSoniqsやCL落ちしたRiseだが。)

 

人数差を作れるようなチームアプローチを、素早い判断で瞬間的に組み立てることは得意な部分だろう。

 

しかしPlantアプローチなど、シージの基本的な戦術的アプローチに関しては甘い所がある。

oNe戦ではロックが足りずに、oNe防衛の真正面からの逆ラッシュを容易に許してしまっていたりした。

 

敵を倒す際の素早い判断、そして素早いながらも、チームアプローチとして、しっかりと成立させられる部分は評価点だ。

しかし同時に、”読みやすさ”にも繋がってしまっているように感じる。

 

RECのように読みづらい立ち回りを取り入れる、もしくは、メタ的な戦術アプローチを高めていかないと、PLでは対策/警戒されてしまってキツいかもしれない。

 

・92DT vs Rise
https://www.youtube.com/watch?v=XflcfBQ4PCQ&list=PLi8qdMYKvbY1GC6JNVwhca-r4KYvaIopB&index=4

 

 

 

Team Vitality

2勝3敗

Secretを倒してPLに復帰したVitality、反して本大会では予選の段階で敗退してしまった。

 

「攻撃の丁寧さ」が「攻撃の遅さ」に直結してしまう状況が多々あるのは、昔から変わらない弱点か。

相手防衛の時間稼ぎアプローチなどをうまく咎められないと、窮地に陥ることが多い。

(もちろん丁寧な分、咎めやすくはあるのだが。)

 

それどころか、相手が堅く現地に籠もっていても(=自分たちの戦術を自由に行える時間があっても)、時間が足りなくなることが結構ある。

 

防衛においては個人技の高さやクラッチ力も相まって、かなりのラウンドが取れることが多いだけに、攻撃の弱みはもったいない点だ。

oNeに対して勝利していることからも、個人技の高さというのは窺えるだろう。

 

ラッシュを取り入れるだとか、時短のためにリスクを意欲的に背負うだとか、そういったことが必要になってくるだろうと感じた。

 

PENTAにはなんとか勝利したが、Chaosには1ラウンドも取れずに負けている。

魔境EUで生き残れるかは、今後の成長にかかっていると思う。

 

得意Mapのオレゴンも削除されてしまった。このままでは危ないだろう。

 

・Vitality vs oNe

https://www.youtube.com/watch?v=daQWrJEkQz8&list=PLi8qdMYKvbY1GC6JNVwhca-r4KYvaIopB&index=8

 

 

 

PENTA

1勝3敗

PENTAは得意/不得意MAPが極端に分かれたり、個人パフォーマンスが安定しなかったりするため、意外と言えば意外であるし、妥当と言えば妥当な結果に感じもする。

 

Secret戦を見る限りでは、Secret攻撃の強みを潰そうと試行錯誤していたのは良かった。その点は評価点と言える。

 

PENTAが対応してくるであろうことは、Secretに予想されていた。

Secretは、PENTAの対応を利用した”試合の流れを生かしたラッシュ”が非常に巧みだった。

ゆえにPENTAが特段に悪いと言うことは無いだろう。

 

しかし、Secretのスピード感にまったく付いていけなかったのは事実だ。

力業による押しに弱いというか、自分たちでタイミングを合わせるのは得意だが、相手のタイミングの合った攻勢を捌くのは苦手としている印象もある。

 

 

4試合のうち、3試合がEUチームだったのは不運だとしか言いようがないかもしれない。

だが、EUチームであるSecret、Chaos、Vitalityに負けてしまったことは、今後のPLに不安が残る。

 

PENTAは分析・対策の優れているチームなので、PLまでにはしっかりと整えあげてくるのではないかと、個人的には思っている。

 

 

PENTAはオレゴンEmpireに対してMapを取れるような貴重なチームだったが、その得意Mapであるオレゴンは削除されてしまった。

 

今後はどうなっていくだろうか…ある意味、1番読めないチームかもしれない。

 

・PENTA vs Chaos

https://www.youtube.com/watch?v=em6VvIkBF0c&list=PLi8qdMYKvbY1GC6JNVwhca-r4KYvaIopB&index=2

 

 

 

DarkZero Esports(DZ)

1勝3敗

DZは配信には映らなかったが、個別に見直した。基本的には、下にある動画を見ての感想となる。

 

自分たちもラッシュを扱えるチームなので、DZはラッシュへの対応が上手い。

また、突き上げなど味方の報告を受けてのチームアプローチも窺える。

単独で詰めてくることが多いoNe攻撃に対して、複数人で待ち構えるような形は、いままで通りにできている。

 

特に手加減や戦術隠しはしていないように見えた。

しかし、ヴィジルやドクのpickが多いなど、力押しをしよう?という部分が垣間見える気がする。(Empireに力押しの部分で負けた反省?)

 

 

そして、攻撃は相変わらず上手いチームだ。下の動画の1ラウンド目など顕著だ。(28:35~)

ブルーバーにスモークを2つ投げ込みながら、本命はサンライズバー。

oNeのヘイトを完璧にずらすことによって、側面や後ろから襲いかかることができている。あっという間に現地を制圧し、急いで戻ってきた遊撃の対応も堅実に行う。

 

オフィスやロビーに仕込みドローンがあるが故のPlant位置、ロック位置で、相手の位置の特定もある程度できている。素晴らしい。

 

しかし、oNe戦を見ていても、リスキルや無茶な飛び出しなど(ロックをしていても)咎め切れないことがあり、ゴリ押しに弱い所は依然としてありそうだ。

Plantアプローチ vs 相手の逆ラッシュのような展開になった際に、個人技の高く、そして飛び出しの上手いチーム相手だと堪えきれないということかもしれない。

 

ゴリ押しに弱い部分は、Hyperが加入しても特に変わっているようには見えなかった。

そして、Hyperの特性に合わせてチームが変化するということも、象徴的には見られなかったように感じた。

今のところは弱くなったとも強くなったとも言い難い。

 

新シーズンになって、飛び出し優位な環境はだいぶ緩和されたとの噂もある。

それを有利として生かせれば良いのだが。

 

Season10でも確実なFinal進出が見込めるかと言われると…Noだろう。

しかし、もともとDZは分析・対策型のチーム、戦術意識の高いチームではある。

PLではまた違ったパフォーマンスを見せてくれることだろう。

 

・DZ vs oNe

https://www.youtube.com/watch?v=KbBBQLLUFtQ

 

 

 

 

③関心・評価:中の上

Spacestation Gaming(SSG)

3勝2敗(予選:3勝1敗) Quarterfinals敗退(Best 8)

今回のSSGは、メタに沿ったチームアプローチのタイミング合わせの良さが、今まで通りに見られた。

オレゴン地下でのPlantフェイントとロック、Plantを行いながらのフラグ投擲などだ。

 

しかし所々で、目的の見えない戦術を展開している場面が多かったように感じる。

また、セカンド/サードプランが存在しないような策、つまり「一つ目の案が失敗したらどうするつもりなんだ??」と言いたくなるような戦術も見せており、不安が残った。

特に防衛、特にオレゴン、PlantアプローチとPlant阻止アプローチだ。

 

オレゴンはMapプールから消えるため、気にしなくても良いのかもしれないが、SSGの得意Mapの1つだったはずだ。得意Mapが下手になっているのには不安が残る。

 

もともと正攻法以外の戦術は行わないチームなのもあって、Liquidの警戒/対策を超えられなかった。

そして、その正攻法も所々でミスが見られたように見える。ロックが行えていない、Mapに狭くアプローチする割には時間がかかりすぎるなどあったか。

サポート力が高く、オールラウンダーに役割をこなせるBryanを失った結果かもしれない。

 

それでもLiquid、Chaos、LSEを倒して本戦に進出したのだから、個人技の増強など含めて、今後の可能性は高いと言えるのかもしれない。

(本戦のLiguidとの再戦は、あっけなく2Map取られてしまったが。)

 

チーム連携は否応なく増して行くであろうから、あまり心配はしなくても良いのかもしれない。

 

・SSG vs Liquid

(Day1の試合。全体配信で残っているのはDay2でMapも異なります。)

https://www.youtube.com/watch?v=lLV6Y-jchu0&list=PLi8qdMYKvbY1GC6JNVwhca-r4KYvaIopB&index=7

 

 

 

Team oNe eSports

3勝3敗(予選:3勝2敗)、Quarterfinals敗退(Best 8)

DZ戦では殲滅に寄ったPlantアプローチというか、Plantで相手を誘ってカットしに行くような戦い方が巧みであった。

人数差を作るようなアプローチは得意としていそうだ。

 

oNeはラッシュも積極的に行う。特にフッカー防衛に対してのラッシュが上手い。

そのラッシュを支える仕込みドローンも優れていて、雑に行ったラッシュでないことがわかる。

 

逆に防衛側としての、ラッシュへの対応も上手いようには見えた。 

(DZ戦、最終ラウンドなど。状況が激変しているフッカーだけでなく、複数方向を警戒できている。)

 

個人技の高さを生かして、Mapを広く使って個別に進行してくる動きも多い。

同時に、極限的な状況において、瞬間的にチーム連携をしてカット/殲滅を狙って来ることも行っている。

そういったチームアプローチをする際の、Coverの早さ/迷いのなさという側面で見ても、非常に能力が高い。

 

個人技の高さは、DZロックに1人で突っ込んでいって、2カットしてPlantアプローチを崩壊させることもできるほどだ。

Plant成立後のSecretの強靱なロックを続々と抜いていったりもしている。

 

また、ヴァルカメ等のガジェットの位置が戦うための位置にあることが多く、積極的に撃ち合おうという姿勢が見える。そして実際に通せるのは素晴らしい。

 

 

しかし92DTなどと同様に、戦術の幅の狭さ、個人技に大きく依存した戦い、殲滅に寄った形のわかりやすさ、細かい対応力の不足、経験不足などが窺える。

 

実際に、基本的な戦術がしっかりしているRogueやVitalityには敗北している。

またSecret防衛には、個別で入ってきた所を突き上げや逆ラッシュのような形で削られていってしまったように見えた。

個別で入ってくるなら、複数人で1人ずつ削っていこうというSecretの選択に、対応はひたすら後手に回っていた。

 

 

同時にそんな幅が狭く、経験不足の状態でも、Secretのヴィラ相手に追い詰める1歩手前まで行くのだから凄まじい。

非常に将来性のあるチームだと言えるだろう。

 

全員の個人技の高さ、Coverの迷いの無さ、仕込みドローンの巧みさなどが影響しているのか、「New Empire」だとか「LATAMのEmpire」などとも呼称されるチームだ。

 

今回でEUチームのガチガチに対策してくる感覚を経験し、成長があったのは間違いない。LATAM地域をかき乱すことだろう。

そして、そのうちにどれだけ成長するか見物だ。要注目チームだと言えるだろう。

 

 

 

Chaos Esports Club

4勝2敗(予選:3勝1敗)、準決勝敗退(4th)

Chaosは個人技が高い。それはNIPに対して、ギリギリながらも打ち破ったことからもわかる。

また防衛における、Mapを広く使って同時展開的に状況を動かすような、面白いアプローチが得意だ。

 

しかし基本的な戦術というか、理論的な戦術というか、その辺りがあまり上手くない印象もある。

所々で論理的な部分?メタに沿った部分?が不安定になるようにも見えた。

 

SSG戦では取るべき所を取らないで進行していった結果、SSG防衛に圧倒的に有利な射線で、上下左右から撃たれてしまっていた。

結果的に、Krippsの1の動き頼りになってしまっている状況が多かった。

 

Krippsの1の動きは、特に本隊とタイミングが合っている訳では無く、自分が行けると思ったタイミングで行くような形。

それ自体は良い面も悪い面もあるだろうが、対応する側としては対応しやすいのは事実だ。

 

しかしその”不安定さ”が逆に、領事館におけるロビー会見室防衛やビザ資料室防衛の上手さに繋がっているのかもしれない。

上記した2つの防衛場所は、現地が弱いが故に選択されることが少ない。よって、研究が進みきらず、メタが固まりきっていない印象もある防衛場所だ。

 

だが本大会では、領事館地下や2階に比べて、Chaosの防衛所得率が明らかに高かった。

そういった防衛場所では、Chaosの”論理性の不安定さ”がプラスに働いているのかもしれない。

(個人技の高さやMapの離れたところでもタイミングを合わせられる点も関係しているのだろう。状況対応力は高いということかもしれない。)

 

 

不安定さを持ちながらも、PENTAやVitality、NIPを撃破するのだから、ポテンシャルは高いと言わざるを得ないだろう。

 

 

Season9では魔境EUにおいて、Final出場まで後一歩のところまで行ったほどのチームだ。

明らかな成長の余地、改善の余地がある段階でこれだけのパフォーマンスが出せるなら、これからも未来があると言えるのではないだろうか。

 

他のチームがなかなか守ることの出来ない防衛拠点を、現時点でも守ることができるというのは非常に大きい。

その強みを活かして、より高みへと到達できるだろうか?

 

 

 

Team Liquid

4勝2敗(予選:3勝1敗)、準決勝敗退(3rd)

 

Liquidはタイミング合わせが非常に上手い。

SSG戦のオレゴンでは、SSG防衛の正統派な守りをチーム連携により次々に打ち崩していった。

防衛の逆ラッシュなどでも、タイミングの良さというのは表れている。

 

個人での飛び出しや遊撃のセンスも高い。

 

 

しかし、選択肢が多くなるとイマイチ戦術が嵌まりきらないというか、上手くいかないことが多い印象だ。

人数が削られた際のアプローチも悪く、雑に個々で現地に進行していったり、無理なPlantを実行したりしていた。

 

ヴィラの攻撃スタートを意気揚々とpickしておきながらも、メタに沿った攻勢アプローチは割とグダグダであった。

ロックの不足、射線管理ミスも散見される。

 

Rogue戦では報告ミスか、銀行証券から同じ射線で3人カットされたりしていた。

ミスは今のところ多いと言わざるを得ない。

 

Secret戦では、領事館のテラスを2人で飛び出してエアジャブを強制的に無効化するなど、面白いかつ効果的なアプローチを見せていることは好印象だ。

Rogue戦では、銀行地下の定番Plant位置を最初から避け、あえて危険な所でPlantするなど出来ていた。

リスクの高い選択を、チームで取ることができるのは大きい。

 

Secret攻撃はラペリングが脅威であることを理解して、Liquidは積極的に飛び出しや窓へのpeekを行っていた。

分析/対策がしっかりしていることの証明だろう。

 

しかし、対策案の数はそこまで多くない。

そして、その多くない対策を多用する傾向もあり、後半は対応されがちだった印象もある。

 

 

Neskの1の動きは本当に素晴らしい。あらゆるチームに刺さりに刺さっていた。

チームがボロボロでも、1人で圧倒的なキルレを誇るのだから、Neskの才能とセンスの高さにはいつも驚かされる。

 

Muringaに関しては、BDでガチガチのサポートプレイヤーではなかったので、Liquidではどうなるかと思っていた。

結果としては、彼に合わせてチームが大きく変わるわけでは無いようだ。

(もちろん、S3xyCakeがスモークを使わなくなっているなどの変化はあるが。)

 

 

Psk1やMuringaをメンバーに迎え入れて、サポート力が増強したと言えるだろうが、特にその要素を活かしているようには見受けられなかった。

 

LATAMの中では分析や対策に優れているのもあって(コーチのSensiのおかげか?)、BO3ではLATAM最強疑惑もあると思っている。

 

高いサポート力を今後はどのように活かすか、注目だ。

 

 

 

 

④関心・評価:高

Rogue

3勝2敗(予選:3勝1敗)、Quarterfinals敗退(Best 8)

Rogueは本大会では、LSEに敗北してベスト8に終わったが、大きな成長を見せたチームの1つだと言って良いだろう。

 

メンバー変更してから弱まってしまった、正攻法の攻めというものが、かなり堅実に行えるようになってきた印象だ。

昔のRogueのような正攻法の上手さが、戻りつつあるのかもしれない。

 

銀行サーバーの遊撃潰しアプローチなど、連携もどんどん強化されていっている。

個人で突っ込みがちだったVerticlに、チームが合わせられる場面も増えてきている。

Verticlの爆発力は相変わらずだが、それに頼らずとも勝てるラウンドが多くなってきた。

 

 

また、クラブハウスでの最初の攻撃ラウンドにおけるラッシュや、銀行地下攻めで不利を背負ったとなるとガレージ制圧+裏攻めを最優先に狙うなど、リスクのある選択を積極的に行うようになってきているのも好印象だ。

 

 

防衛に関しても、妖怪等を使って序盤から積極的に撃ち合っていく動きなど、Plantや現地籠りに重きを置かない前めの戦いが行えるようになってきている。

 

現在の環境では、籠って守る防衛法だけだと、攻勢を凌ぎきれないのは間違いない。

前めに撃ち合っていく戦い方は積極的に取り入れる必要があり、正解だと言えるのでは無いだろうか。

 

相手が前めの戦いを避けたら、その妖怪を用いて、得意のリテイクにも行ける。

そのような柔軟な戦いができている。

 

Rogue防衛と言えば、中盤からのリテイク!という印象だったが、それが変化してきているか。

 

 

攻防共に幅が増え、対応も柔軟に、連携が強化、リスクの高い選択をチームとして積極的に取ることも多くなった。

同時に個々の要素の堅実さが高まった印象もあり、間違いなく成長と言えるだろう。

 

しかし、合理性が高すぎるのか、戦いの範囲は正攻法の中に留まっている。

それでは昔のRogueの強さまで到達できても、昔以上のRogueへ至ることは難しいのではないかと、個人的には感じる。

 

とはいえ、昔のようにFinal常連となれる成長と可能性を示した大会だったのではないだろうか。

 

昔のRogueの強さを取り戻せるか?

それに終わらず、昔の強さを越えたRogueへと進化できるか?

注目点だろう。楽しみだ。

 

 

 

Ninjas in Pyjamas(NIP)

3勝2敗(予選:3勝1敗)、Quarterfinals敗退(Best 8)

本大会で2番目に驚かされたのはNIPだ。

ここまでのチームになっているとは、本当に予想していなかった。

 

昔から、NIPの一番の問題点は防衛における個人遊撃が、あまりにも多すぎることだと感じていた。

個人技は昔から高かったものの、Coverが見込めないような状況で戦い続けるのは、理論的にも精神的にも無理があった。負担が大きかった。

 

が、現在はPinoとMuziという強力な個人が加わったことにより、全員がクラッチプレイヤーと言えるような状態になり、「無理が無理じゃなくなってきている」ような印象も受ける。

相変わらず個人遊撃は狩られてしまうことも多いが、残されたNIPメンバーもとんでもないクラッチプレイヤーであり、平然と2on5などを覆してくる。

 

普段から単独行動が多いことが、却って"クラッチ慣れ"を引き起こしているイメージもあって、今のNIP相手には人数差が安心できる要素ではなくなっているかもしれないとも感じる。

 

 

さらに話はそれだけに終わらない。チームによる連携も増しているのだ。

 

攻撃ではクラブハウスの地下攻めが顕著だった。

非常に綺麗な地下攻めで、個人技の高さが重なって、相手が対応しようがない状況を作り出せていた。

タイミングやカピタオの火矢などのガジェットの使い方による連携が巧みだった。

 

国境の遊撃潰しアプローチもかなりしっかりしていた。

個人技の増強によって、個人×5のような囲い込む攻めも通りやすくなっている。

 

防衛においては、妖怪やクラッシュとの連携で積極的に撃ち合い、カットを発生させることができており、人数差を作るための連携が強化されている印象だ。

 

 

個人技に依存したスタイルのチームに個人技の増強が加わると、ここまでの成果を生み出すのか、と驚愕させられた。

それには5人全員がクラッチできるほどのポテンシャルがあることが、大きく関係しているだろう。

個人技の”穴”が無くなったということなのかもしれない。

 

 

現状の問題として一番大きいのは、優位と取った際の詰めの部分。

せっかく人数有利を取れても、クリアリングミスや報告ミス、連携の不手際などでイーブンまで持って行かれてしまうことが、全体的に多かった。

 

予選では、最終的に優勝したSecretに対し、実質的に勝利するところまで至っていたように感じるが、そういったミスにより勝利を逃してしまっていた。非常にもったいない。

 

また、Plantに気づかないというミスも見受けられた。

基本的にはPlantが通ると、攻撃側が圧倒的に有利になるため、咎められないどころか気づけないのは痛い。

(前めに戦うために、情報系ガジェットを現地にあまり設置しないというのはあるかもしれないが。)

 

ディフューザーを外に置き忘れるようなミスもあった。

 

そういったミスに比べれば、戦術の狭さは大したことでは無い。

 

 

とにかく勝てたラウンドをミスによって落としたり、優位に立てたラウンドをミスによってイーブンや不利にされてしまったりと、もったいないシーンが多い。

連携や報告について熟慮し、明確に修正すべき点だろう。

 

 

逆に言うと、ミスが無ければ本大会を優勝していてもおかしくなかったということだ。

修正すべき部分は非常にわかりやすいので、ある意味、最も伸ばせる余地が大きいとも言える。

 

今後の成長が楽しみにしている。

久しぶりにFinalでNIPを見ることができるか。

 

 

 

⑤関心・評価:最高、世界4強に足を踏み入れてもおかしくはない

LeStream Esport(LSE

5勝3敗(予選:3勝2敗)、準優勝

LSEは予選の段階ではグダグダだった。

防衛では個々でpeekして個々で負け、攻撃では目的が見えないまま時間をかけすぎた結果、なんの成果も得られずにラウンドを落としたりしていた。

 

1ファンとしては、UUNOを失ったことがここまで影響として表れているのか…と落胆せざるを得なかった。

相変わらずの"オフライン弱さ"だったのかもしれないが、Season 9で見せたLSEの良さというものは、あまり見られていなかった。

 

Day2、Day3と日数が進むにつれ、改善は多少進んでいるようにも思えたが、準決勝のChaos戦に至ってもそれは大して変わっていなかった。

 

 

ところが、決勝戦だ。これが全然違った。

 

LSEはSix Major Raleighへの出場が確定しているので、SecretもSix Major Raleigh出場確定。

この試合は賞金以外は、消化試合と言っても間違いではなかった。

 

しかし、LSEはかなり練ってきたであろうSecret対策を見せるとともに、素早い判断での柔軟なチームアプローチを多数成立させてきていた。

決勝に関しては、少し前のLSEの強さを取り戻したと言ってよく、Secretを苦しめていた。

 

 

本大会で多数のオフライン経験を積んで、ついに"オフラインの呪い"から解放されたのかもしれない。

そうだとしたら、非常に大きなことだ。

 

オフライン弱ささえなければ、世界大会優勝候補とまで言われるチームが、ようやっと弱点を克服したかもしれないのだ。

*1

 

 

決勝は1Map目の1ラウンド目からとんでもない試合展開だった。

 

地下防衛のSecretは2階に遊撃を出し、LSEはそれを潰しにいった。

LSEの遊撃へのアプローチの早さは尋常ではなく、Secretも不意を突かれるかと思ったが、うまく対応。Secretに人数優位ができた。

 

味方が2人しかいない、2階にまだ遊撃が残っているという状況を、LSEは冷静に吟味して、戦術的なアプローチや時間をかけてのアプローチは、おそらく通らないと考えたのだろう。

リスクを背負って、素早く現地にラッシュをかける選択をした。

結果、優位を取ったと思っていたSecretの不意を突き、現地を壊滅することに成功。

攻撃と防衛の立場を逆転、さらに言えば有利と不利の立場をも逆転させた。

 

1ラウンド目からお互いの連携、Cover、対応、判断などが優れていて、かつ非常にスピード感の溢れる戦いが見られた。

とても驚いたことをよく覚えている。

 

 

その後の展開では、SecretのLeonGidsによる単独遊撃が多いことに対する、LSEの積極的な対応が見られた。

ラウンド開幕30秒も経たないうちから、こっそりエントリーしたLSEメンバーが、Secret遊撃に勝負を仕掛けたりしていた。

その他にもジム・ベッド防衛に対して、開幕30秒の内に2人がかりで中央階段を制圧していたりしていて、それまでの試合とはまるでスピード感、そしてチーム連携が異なっていた。

 

 

特に素晴らしかったのは第2Map目、国境の10ラウンド。

Secret防衛が奇襲として、窓口・トイレ防衛を行ってきたラウンドだ。

↓該当ラウンドから開始するように設定済み。最初は右下の画面の仕込みドローンに注目。


Rainbow Six Siege - Allied Esports Minor - Day 3

 

LSEは仕込みドローンにより、準備フェーズの段階でトイレと作業室のローテーション穴を確認。

(おそらく窓口の足元だけ開ける工事も確認していた?)

そして正面玄関〜作業室からのラッシュを選択した。

Secretのラッシュへの対応が早く、LSEは2on4の状況となってしまう。

 

まず良かったのは、ここで腰が引けた選択を取らずに、ラッシュを貫き通して2on2にまで持っていったこと。

 

ラッシュを半ば失敗して、人数有利が2人ついた時点で、戦術的なアプローチというのは不可能に近い。

ラッシュを貫き通した選択は"良いリスクの取り方"と言えるだろう。

そして、実際に人数イーブンまで持っていける個人技にも脱帽だ。

 

LSEはラッシュを貫き通したことにより、現地を制圧することにも成功。トイレでPlantを試みる。

しかし、妖怪によって防がれた。

 

次に素晴らしかったのが、その際に選んだ行動だ。

"LSEは苦労して獲得/制圧した現地を、完全に放棄して、殲滅に移った"

 

この行動を優れていると評する理由は2つある。

①窓口トイレは現地としては弱すぎるが故に、確保しても有利とは言い切れない。加えて、上も取られている。

②妖怪によって2人とも見られているので、相手からの逆ラッシュなど受けてしまった場合に、圧倒的不利になる可能性がある。

それゆえに、せっかく取った現地を捨てる判断は、悪くない判断なのである。

 

とはいえ、ラッシュが失敗しかけながらも苦労して奪取した現地を、軽々しく捨てられるチームはなかなか居ないだろう。

ラッシュに慣れていて、柔軟なアプローチを組み立てることのできるLSEだからこそ、取れる選択ではないだろうか。

 

実際に、現地を取り切りながらも殲滅に移ったLSEに対して、Secretは予測/対応できておらず、2on1となってしまう。

 

この次もまた素晴らしい。

"上に敵がいることが分かったLSEは、2on1でも油断せずに、2階へ2人で殲滅に行った"

 

人数有利になったとはいえ、先程も書いた①②は未だに継続しており、Plantよりも殲滅の方がリスクは少ない。

そう判断したのは、妥当と言っても良いのではないだろうか。

 

残っていたSecret防衛も、殲滅を察知して1階現地に飛び降りるが、そうすると先程までの状況とは逆で、Secretが不利な現地を位置取ることになる。

あとは、不利な場所にいる相手に対して、LSEはPlantやロックをしていくだけである。

 

 

こういった瞬間的な決断力/判断力と、何度も目的を再設定して、チームアプローチとして何度もまとめ直せるのは、LSEの大きな強みであると思う。

 

少し前のSeason 9 Finalや、本大会の予選では損なわれていたその強みが、オフラインでついに発揮された場面の1つだと感じている。

 

 

そんなLSEのオフライン弱さ以外の弱点は明白だ。

射線管理である。

 

特に防衛の射線管理ミスは、結成してから現在まで変わらない弱みだ。

射線管理ミスが多い理由としては、LSEの防衛スタイルにある気がしている。

 

LSE防衛は、相手の予測をずらそうという意識があるのか、リスクの高いところで頻繁に待つ。

そういった場所は必然的に、カバーポイントが無かったり、複数射線に晒されるような位置だ。

当然、射線管理ミスは起こりやすくはなるだろう。

 

相手の予測を外そうと努力しても、射線管理ミスによってイージーにカットされてしまうのであれば、本末転倒ではないだろうか。

 

 

逆にいうと、明確なミスが目立つような状態で、今大会の完成度が高いSecretを追い詰めたという事だ。

Secretより伸びしろがあるのは間違いないだろう。

 

今回、多くのオフライン経験を積めたのは本当に大きかった。

EU PLでの奮闘と成長を期待したい。

 

 

 

Team Secret

6勝0敗(予選:3勝0敗)、優勝!

Secret ! Secret !

 

CL落ちしてファンを悲しませ、なんならSecretから放出される可能性も見えていたチームが、まさかの大躍進を遂げてきた。

 

この短時間で急成長してきたことには、本当に驚かされた。

今大会の驚きNo.1なのは、自分だけではないはずだ。

 

CL落ちした際に感じていたのは、攻撃は上手いものの、防衛に不安が残るということだ。

よって改善すべき、改善されてくるであろう点は、まず防衛だろうと考えていた。

そしてその改善も、CLで戦っていくうちに成されてくるのだろうと思っていた。

 

だが、違った。

なんとSecretは、この短時間で、防衛以上に攻撃が強力になって帰って来た!

オーーマイガーーーー!! ((((;゜Д゜)))

 

 

Secret攻撃の素晴らしいところは、ラッシュに尽きるだろう。

 

チームとしてのタイミングの合致、対応を許さないスピード感、相手の意識の隙を突く巧みさ、殲滅と設置の素早い切り換え、激変する状況での報告の的確さ、現地を殲滅した後の素早いロックへの切り換え、試合の流れを見てのルート選択、多方向 or 一方向、瞬間的な連携の組み立て…

 

軽く思い付いただけでも、これだけの良点を挙げることができる。

 

多種多様のラッシュを用いながらも、高確率で成立させてくる様子には、「綺麗」という形容詞がふさわしく感じてしまった。

明らかにチームとしての完成度が、突出していたように思う。

 

自分達が行う戦術を、相手にやられた時に対応できないチームというのは、プロでも結構いる。

しかしSecretに関しては、ラッシュへの対応も優れていた。

 

Secretラッシュの例:素晴らしいヘイト管理によるラッシュ

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Liquidは現地よりもラウンジ倉庫に人員を多く配置している形。


Secretはガレージ補強に対してヒートチャージを起動し、同時にゾフィアのコンカッショングレネードをガレージ2階に撃ち込んでいる。

Liquidが警戒したのは、1階からのガレージ制圧だろう。

 

しかし実際のSecretの狙いは異なっていた。

割れている2階監視室の2枚補強からガレージに駆け込んで、超重要拠点であるガレージ2階を制圧。

同時に金庫まで取りきって、突き上げされない位置で設置している。


後はロックで片が付いてしまった。

(突き上げを狙っていたのだろうが、Liquidの対応はあまり良くなかった)

 

Secretはキャッスルを見て、突き上げ主体であろう作戦を読んで、現地が薄いと判断してのラッシュだろう。

素晴らしい。

 

 

では、戦術/メタに沿った戦いはどうなのか?となるが、Secretはその点でもまったくもって遜色無い。

 

ロックは複数方向から敷かれていて、リテイク予防のロックもしっかりしている。

逃げようとした遊撃を狩るためのロックもあるので、かなり人数差を作れていた。

 

相手の防衛は、遊撃が上手くいかなくなって現地籠りに移行したりしていたが、それならSecretは、統制された強靭なロックでPlantアプローチを行うだけ。

では、遊撃で決着を着けようとすれば、現地へとラッシュが入って壊滅する…

 

PENTAなどは、懸命に対応しようとしていたものの、多種多様な攻勢によって行き場所がなくなり、どうしようも無くなっていたように見えた。

 

戦術的なアプローチは、相手がどうしようもなくなるレベルなのに、ラッシュのような力業の選択も強力になってしまった。

相手チームは、対応が非常に困難と言えるだろう。

 

 

防衛に関しても、相手の戦いをしっかりと分析して、対応策を打ち出せている。

(これは元からだが。)

Ferralの個人技も合わさって、防衛の安定性も増した印象だ。

(Ferral君、アナリストじゃなかったの???)

 

 

しかし、Secretの弱点を挙げるとすれば、やはり防衛となる。

 

対応策は編み出してくるものの、策が足りなくなって後半は対応されてしまっていることもある。

LeonGidsの個人遊撃はリスクが高く、LSEには明確に潰しに来られていた。

不利を背負った時のハイドの選択も、けっこう危険だ。

ハイドを通せてもCoverできる距離感に居なかったりで、多少時間を稼げて終わりになるラウンドもあった。

 

防衛においては、チームの方針は明確に定まっているものの、実際のアプローチは個人単位になってしまっている印象もある。

 

本大会では

(1)攻撃がかなり通せたこと(攻撃で不利がついたのはoNe戦のヴィラとLSE戦の領事館のみ)

(2)Secret防衛の対策に積極的に対応してくるチームが、対戦相手として少なかったこと

などにより、防衛の問題は浮き彫りにはならなかった。

 

個人的には、未だに不安が残るだろうと感じている。

 

 

攻撃に関しても、室外への飛び出しやラペリングに積極的に戦われるのは、未だに苦手としている。

(少しは改善された印象も?)

 

それから、ラッシュはいくら強力でもリスクは高いことは否定できない。

LeonGidsが単独で突っ込んでいく場面も見られ、危なっかしい。

世界トップクラスのチームに通用するかは、現時点では不明瞭だと言えるだろう。

 

現時点でのチームの完成度は高いと言える。

しかし、分かりやすいミスを多発するLSEとは互角の戦いだった。

伸びしろという部分では、なかなか難しいのではないか、とも感じてしまった。

 

 

後は、meepeYのAIMガバかな(笑)

SecretはmeepeYの知略によって支えられているチームなのに、肝心のmeepeYがよくAIMをミスるので…(笑)

がんばれmeepeY 負けるなmeepeY

 

 

しかし、Secretの躍進には本当に驚かされた。

Secretに必要な人材は、LeonGidsのパワーに着いていける、FonkersやFerralのような若手だったということかもしれない。

(Ferralは仮入隊らしい。いや、仮入隊って…そのまま優勝したが?大活躍だったが??)

 

 

とにかく、チームとして大幅な進化を遂げたのは間違いない。

 

出場が決まったSix Major Raleighでは、

「CLチーム 兼 世界王者」

という快挙を果たしてほしいと願っている。(無茶振り)

 

Secret復活万歳!Secret ! Secret !

 

 

 

 

 

終わりに

まとめとしては

 

不安が残る:Soniqs、Vitality、92DT、SSG

可能性を感じる:oNe

大きく成長した:Rogue、NIP、LSE

神的に好き:Secret

 

こんな感じだろうか。

Secretについて真面目に言うなら

「世界トップ層にどれだけ攻撃が通じるかがカギだが、仮に通じるなら世界4強に足を踏み入れているかもしれない。」

ということになるか。

 

LSEはオフラインのパフォーマンスをオンラインでも発揮できれば、世界王者も狙えると感じている。

今回でオフラインの呪いを脱却できていると良いのだが。

 

 

正直、あまり期待していなかったチームほど勝ち上がってきていたので、とても楽しい大会だった。

組み合わせも新鮮なものが多かったのも良かった点だ。

是非、また開催して頂きたいところ。

 

 

勝ち上がれなかったチームや成長がみられなかったチームもいるが、戦術隠しをしていた可能性は捨てきれず、PLではまた違った姿を見せてくれるかもしれない。

 

とにかく、本大会は楽しめたし、同時にPL Season10が楽しみになる大会だった。

特にoNe、Rogue、NIP、LSEの4チームには期待しているが、はたしてどうなるだろうか?

 

時間がある方は好きなチームの試合だけでも見てみて欲しい。

 

それでは、また。

 

 

 

*1:個人的には、LSEは予選の段階では戦術隠しの要素があったのではないかと思っている。Six Major Raleighへの参加は決まっているので、別に負けても良かったのではないかと。

しかし、結果としては勝ててしまったのもあって、準決勝まで到達。後は後半になるにつれて熱くなって、ある程度本気を出した。

そして決勝戦まで来た。どうせなら、優勝しようということで、決勝はある程度本気で戦った。(決勝も全力ではなかったのではないかと疑っている。)

 

そんなところではないかと感じている。

メンバー変更やオフラインによる弱体化というには、決勝とその他で、あまりにも戦術/戦い方が異なっている。加えて、Day3の準決勝まで微妙なままだったのに、その後の決勝で突然変異のごとく変貌するのはおかしくないだろうか?

自分の思考にバイアスがかかっているのは間違いないが、このストーリーがしっくりきてしまっている。

もちろんオフライン慣れが、ただ進んだだけという可能性もあるだろう。